プラダンでカヤックを作る。【その4】テスト結果と考察


台風のおかげでテストが遅くなりましたが、
ほぼ日本晴の本日、テストを行ってきました。



結果は失敗です。(キッパリ!)
想定内の結果でしたがが、改善点も色々見えてきた有意義なテストでした。


科学実験はテスト結果に対する考察が大切です。
ということで色々と言い訳を書いてみたいと思います。(笑)

今回の最大の問題は、コックピットの前後の折り曲げ加工のラインが水圧により変形しました。
結果、この部分が喫水線を下回り水が入りました。




コックピットに座り浮くことは浮きましたので全くダメというわけではありませんが、
潰れて壊れる前に無理せずテストを中止しました。

今回使用したプラダンの厚みは5mmだと思っていましたが、計測したら4mmでした。(汗)
実際に水圧を感じてみると素材としてもう少し張りがあったほうが良さそうです。

心配したテープの繋ぎ目ですが大きな破損はありませんでした。
ただ一部にテープの少しズレがありましたので長時間の耐久性はないと思います。

プラダンには色々な種類があって規格品以外にもカット販売してくるサービスもあります。
予算に余裕あれば、繋ぎ目が必要のない大き目のサイズをオーダーメイドすれば失敗はないと思います。厚みも7mmなら十分だと思います。

【参考】
http://www.pladan.com/catalog/seat/pladan/

組み立てにはリピートタイを使用しましたが、機能的にはこれで十分です。
組み立ても簡単で早く、慣れれば1分程で組み立てられると思います。
もちろん分解、折り畳みも即効です。







何より使用後の洗浄が簡単スッキリです。
サンマの開き状態になりますからね。(爆)


プラダンでボートを作ろうなんて考える暇人はほとんどないと思いますが、
今回の工作で分かったポイントをいくつか書き残しておきます。

市販されているプラダンのサイズが190*180mm程度のものしかないため、どうしても複数枚を貼り合わせて使うことになります。
プラダンはポリプロピレンの非極性素材で出来ているため接着剤での貼り合わせは不可能です。
一部にポリプロピレン用の接着剤も市販されていますが、ボートに使用するほどの耐久性はありません。

貼り合わせにはパワーテープ等の耐水性のあるできるだけ強力なガムテープを使用しますが、貼り合わせる力には限界があります。
構造上、力が掛かるところは事前にインシュロックで繋げるかテグス等で縫い合わせ、その上にテープを貼って隙間を埋めるという方法が良いかと思います。
ただし、折り目の加工するところでは気をつけてください。

プラダンはカッター等の鋭利なもので簡単に切れますが、張力には非常に強く破れにくい素材です。
折り曲げにも強く、白く変色しますが少々のことでは裂けたり千切れたりしません。
折り曲げヒンジ機能は20万回とも言われてます。

折り曲げ加工する場合は加重をかけて段ボールの構造を押しつぶすのが良いかと思います。
電熱コテで折り目の加工もできますが、素材が変質したり穴が開いたりします。
熱加工は止めた方が良いかと思います。(今回は失敗しました)

また厚みのあるものですから折り目は線ではなくある程度の幅を持って押しつぶすのが良いかと思います。
そうすることで折り曲げ時のストレスを曲面全体で吸収するため耐久性もアップすると思います。
ビー玉程度の幅のもので押し潰すのが理想かと思います。

インシュロック等での接合には千枚通しのようなもので穴を開けながら作業するのが簡単です。
ドリルやポンチのようなものはかえって素材を痛めるかもしれません。

元々カヤックは薄い素材で全体を覆い、そのモノコック構造による力の分散で構造を保っています。つまり骨材のような粉砕力に対する抗力ではなく、張力による力のバランスが重要です。

ボートのデザインにより、水圧により押される部分と引っ張られるところ、そうでもない部分があります。この力の掛かり具合をどう分散するかによってボートの全体的な強度が出ます。

どんな構造物でもそうですが、とにかくカチカチで堅固な強度があれば良いというものではありません。しなやかな柔軟性を持っているものが結果的に構造体を維持出来るかと思います。
全ての分子結合は柔軟なものですからね。

ORU KAYAKのデザインは非常に優れていますが、その特徴的な箇所はコックピットの前後で歪みを吸収している折り曲げ部分です。
ここがうまく加工できないと船全体に歪みが出てしまう重要な箇所です。

実際にやってみると、この部分の加工が非常に難しいです。
今回は4mmのプラダンを使いましたが、それでも折り曲げがかなり大変でした。
細かな折り曲げにはかなりの力がいる上に全体的な加重もここに集中して掛かってきます。

ORU KAYAKではおそらく機械加工してる部分ではないかと推測します。
今回はインシュロックで少しずつ締め上げながら辛うじて繋ぎ止めています。

またコックピットの部分には船首や船尾から押し潰されるような相当な圧力がかかると思います。
コックピットの部分は二重張りにしていますが、剛性力が不十分だと思います。

オリジナルのORU KAYAKはこの部分に強度のある枠組みを付加しています。
今後、何らかの補強が必要だと思います。

ORU KAYAKは特許登録されています。
個人として模倣品を作って遊ぶには問題ないと思いますが、それ以上はご注意下さい。
パテントの説明や図面は工作の参考になると思います。

Collapsible kayak
http://www.google.com/patents/US8316788


日本ではプラダンで船を作っている方はほとんど見かけませんが、ネットで調べてみると海外では事例も多く、簡易的なボートを製作する素材として実用性も高いようです。
興味のある方は「Corrugated plastic boat」で検索してみて下さい。

市販のボートに比べると費用も安くてコンパクトで軽量なものが作れるが魅力的です。
レクレーションボートとして遊ぶには十分楽しさはあると思います。

例えばポテトとポップコートンとジュースを買い込んで映画を鑑賞すれば2時間ほどで3千円ほど使っちゃいますが、同じ3千円でプラダンやテープ等を買い込んで工作すれば数日間は楽しめると思います。

今回、プラダン工作を実際にやみて、非常に面白い素材だと分かりました。
ボートを作る以外にも大型のラジコン飛行機を作ったりと他にも色々と利用できそうです。
是非一度お試しください。

もちろんこのプロジェクトは続行します。
改良してリベンジします。


プラダンでカヤックを自作する。まとめ動画